ドラマのテーマがロケットからいきなり医療機器へシフトし、同時に著書としてのガウディ計画が発刊されるという流れにすっかり乗せられた。
それはそれとして、テレビより一足早くエンディングを迎えた私の下町ロケット。
心の中が満足感でいっぱいになりラストシーンでは涙がこぼれてしまった。
布団で中でラストシーンを迎え、まさに枕を濡らしてしまった訳である。

それは佃航平が発した「仕事に夢がなくなってしまったら、ただの金儲け」という言葉に心が動かされたからである。

これほどコンプライアンスが叫ばれている昨今にありながら、最近でも排ガス偽装のフォルクスワーゲンや東芝の不正会計など枚挙にいとまがない。
いちばん新しいところでは化血研の未承認方法による血液製剤の製造もある。
おまけにPMDA(医薬品医療機器総合機構)の検査をすり抜けるため記録を偽装していたというから話にならない。

PMDAは下町ロケットにも登場するが、ドラマではPmeaとなっていた。
佃や一村らがPmeaの審査官たちに袖にされるシーンがあった。
演出とはいえ実際も似たような感じかもしれないと思った。

検査を偽装で乗り切った化血研の話を聞いて、下町ロケットのシーンとかぶる個所も。
先日、モラロジーの講演を拝聴して、コンプライアンスはもとより品性資本とかCD(customer delight:カスタマーディライト= 顧 客 感 動 )の重要性を勉強させていただいた。
CDはCS(customer satisfaction:カスタマーサティスファクション= 顧 客 満 足 )の進化形という位置づけらしい。
実際には佃製作所はじめ多くの日本企業は真面目にコツコツと取り組んでいる。
だが、たまに見かけるこうした怪物に私たちは翻弄される。

多くの人々が下町ロケットに熱狂する理由は、こうした怪物に勇敢に立ち向かう佃航平に共感するからだろう。